13594村:マティアスと10人の従者 [過去ログ:kako_log]

終了 村人陣営
立て主
キャラセット
参加人数
12人 (4~22人)
更新方式
リアルタイム制
編成
ワイドカスタム
パスワード
あり
1日の長さ
24時間 / 投票 60秒
開始方法
自動(2018年1月8日 00:00)
村情報
通常発言数上限: 0発言 アクション数上限: 0アクション
発言数復活あり
BOT投稿なし
ダミー(初日)設定
ダミー役職なし 死亡フラグ回避 投稿セリフOFF
ダミー変更不可能 初日占い不可能
基本設定
カード人狼形式 夜コミットなし 役職希望有効 名前入力可能
公開設定
記名投票 票数公開なし ID公開なし 墓下公開なし
GMモードOFF 匿名ID軍解散 ランダムCNなし
拡張機能オプション
再投票なし 二度寝しない
決選投票なし 自投票なし 棄権投票なし
突然死なし 退席なし 遺言あり
役職機能オプション
任意襲撃不可 連続護衛可 凄い共有能力OFF ドラゴンボールなし
後追い表示あり 復讐表示あり 恋仇第三陣営 因果応報
カリスマ教祖OFF 教吸第三陣営
変換オプション
信者語尾なし クルモン語翻訳ON
会話設定
妖魔念話ON 共鳴会話OFF 狂鳴会話OFF 恋人会話OFF
秘話会話OFF 匿名発言OFF フリートークOFF 障子にメラミ

編成: ワイドカスタム

過去ログ

語り部 が 男装の姫 マティアス に投票しました。(ランダム)
料理屋 チェスワフ使用人 ネーロに投票しました。
近衛騎士 ヤドヴィガ使用人 ネーロに投票しました。
使用人 ネーロ男装の姫 マティアスに投票しました。
騎士兼医者 クラウス使用人 ネーロに投票しました。
語り部男装の姫 マティアスに投票しました。
男装の姫 マティアスは、2票投票されました。
使用人 ネーロは、3票投票されました。
投票の結果、使用人 ネーロ が処刑されました。
使用人 ネーロ に仕掛けられていた罠が発動して、騎士兼医者 クラウス が道連れにされました。
使用人 ネーロ は 人狼 だったようです。
すべての人狼を退治しました。
多くの犠牲の上に、ついに村に平和が訪れました。
村人の勝利です!
1 語り部 (komachi222) 2018/01/13 00:21:25
全て、終わりました。
最後の敵は死にました。1人の騎士を道連れにして。
姫はふらふらと倒れている者達に近寄りました。
皆最後まで戦ってくれました。自分のために命を落とした者は一体何人いるのでしょうか。
姫は、絶対に死んではダメだと思いました。皆が繋いでくれた命を無駄にはしない、そう誓って。

他国へ向かう途中、別荘の近くの村を通り過ぎました。
きちんと様子を見ることはできませんでしたが、村人は普段の生活と変わらない時間を送っているように思えました。
姫はそれだけで十分でした。この国で最後に見たのがこの光景でよかったと思いました。
2 komachi 2018/01/13 00:22:31
戦争は終結しました。
晴れて領土はカナリー王国のもの。長かった戦争がようやく終結し、人々は安堵や喜びの表情でいっぱいです。
しかし、カナリー王国ではあまり知られてはいませんが、1つ分からないことがありました。マティアス姫のことです。
暗殺者から遠ざけるために、遠い地の別荘へと行った姫様。そこに暗殺者を送り込んだはいいのですが、それから彼らからの連絡がパタリと途絶えてしまいました。
そして、姫様の行方も分からないのです。どこかで生きているのか、はたまた死んでいるのか。少し気になるものの、今となってはどうでもいい話でした。彼女の故郷はもうないのですから。
3 語り部 (komachi222) 2018/01/13 00:24:33
「ーーおしまい」
女性はふぅ、と息を吐くと、こちらを見上げている子供たちにふわりと笑いかけました。
「なんか難しかった!」
「え?これで終わりですか?」
「…お姫様は、王子様と…幸せになったり、しないの…?」
子供たちはわいわいと騒いでいます。
「そうだね。確かに王子様は来なかったけど、これがそのときできた最良の結末なんだよ」
「ふーん…その言い方、まるで先生が経験してきたみたいだね」
眼鏡をかけた子供がじっと彼女を見上げます。女性はんー、と少し考えると、
「そう、よく分かったね。これは実際に私が経験したことなんだよ。びっくりした?」
「ええー!?先生のお話なの!?」
「そうそう」
「じゃあ先生ってお姫様だったの!?」
「うんうん」
「うっそだー!!お姫様ってもっとおしとやかだもん!」
「お姫様って剣で戦ったりできないでしょ?」
「お姫様はどろんこ遊びなんて知らないよ!」
「先生がお姫様…」
「いや、ないない。絶対ない」
「……え?そんなに?」
女性は素直にショックを受けました。子供たちは全く信じていません。
そんなとき、キッチンの方から声がしました。
「あ、おやつだって、みんな」
「おやつー!!」
「コックさんが作るお菓子いつも違ってて美味しいから好き!」
子供たちは元気にキッチンへとかけていきます。
女性はその姿を見送ると、ふと窓の外を見ました。外は海が広がっています。……あの別荘から見る景色のように、綺麗でした。
ここはとある国の孤児院。女性はここで勉強を教えています。そしてその合間に、本で読んだ話を語ることもありました。子供たちはいつもその話を楽しそうに聞いてくれていました。
4 語り部 (komachi222) 2018/01/13 00:26:00
「ーー姫様」
その声に振り向くと、あの頃仲良くしてくれた女騎士がいました。今は、女性と同じ、孤児院の職員ですが。
「懐かしいね。その呼び方。でもやめてって言ったはずだよ?」
「すみません。あまり慣れなくて。それにしても、あのときの騒動のことを話したんですね?すべて素直に、というわけではないようですが。国の名前が違いましたし」
「当たり前だよ。物語として語るならちゃんと脚色はいれなきゃね。でもそんなに間違ったことは言ってないはずだよ」
「……どうして、その話をしようと思ったのですか?」
騎士はまっすぐ女性を見つめます。
「どうして、か。どうしてだろうね。もしかしたら知っておいてほしかったからかもしれないね。あんな事件があったことも、彼らが存在していたという事実も」
女性は少し悲しげに笑いました。
「ほら、人は忘れられた時にもう1度死ぬというだろう?私たちはこの先もずっと忘れてはいけないんだよ」
騎士はなにか言おうと口を開きましたが、女性はニッコリと目を細めました。これでこの話は終わり、と言うように。
「ほら、私たちもおやつをいただこうじゃないか。彼の作るお菓子は絶品だからね」

彼らが選んだ結末は、少しだけ苦さの残る、美しいものでした。
セレストのお姫様はもういません。
マティアスは普通の人として、これからも生きていきます。そう背中を押してもらった人達のためにも。
さあ、今日も1日、幸せな時間をせいいっぱい過ごしましょう。

TRUEEND
「マティアスと10人の従者」
5 メイド エリザベート (Akatsuki) 2018/01/15 23:39:32
【EP】

────これは語り部─ストーリーテラー─ですら知らない〝もうひとつ〟の物語。誰も知らないもうひとりの姫の物語。


カナリー王国のとある貧しい家庭に女の子が生まれた。女の子には9歳年上の姉がいた。妹が7歳の時、母親が亡くなった。貧しく頼れる人もいなかったため、姉とふたりで隣の国に逃げようとした。しかし兵士に捕まってしまう。姉は敵国の王子の暗殺を命じられ、妹は人質として捕えられた。奴隷のような扱いを受けて数日、急に対応が良くなり、城にまで招かれた。どうやらカナリー王国第一王子に好かれたらしい。それから妹は姫として城で暮らすことになった。

それから10年、姉はまだ敵国の城でメイドとしてスパイ活動をしているらしい。妹は姉と会うことは愚か、手紙を送ることされ許されていない。妹を解放する気などないのだ。当たり前だろう。妹は裕福な暮らしよりも貧しくて良いから姉と共に暮らしたいと思っていた。
そういえば最近、隣国との戦況が良いらしい。それから数日後、セレスト国王の暗殺が成功し、長い戦争の幕が閉じた。...しかし、その矢先に姉達、王子の暗殺を試みていた暗殺者たちとの連絡がパタリと途絶えた。それが意味することは勿論...

姉の死という悲しみから、妹は自殺を考えた。姉が最期を迎えたと思われるその場所で。その崖からは美しい朝日と海が見える。ここから落ちれば...そうおもった瞬間、ふと声が聞こえた気がした。「死んではだめ、貴女は生きて」───とても懐かしい声だった。

その後カナリー王国の女王となった妹は他の隣国にも戦争を仕掛け大勢の人を殺した。悲しみを消し去る為に。その金色になびく髪と、赤と紫に光る瞳は狂気的でありながらもとても美しかった。

そんな女王が敵国に捕まり、処刑させることになった。
「罪人 カナリーの女王 マリー。最後に何か言い残すことはあるか」
そう聞かれると女王は
「...ねえさま、ああ、やっと会えるのですね。さあ、今度こそ逃げましょう。遠い遠い地の果てへ───」
6 使用人 ネーロ (嶌) 2018/01/16 21:53:41
昔の事を、思い出していた。


当時から王子の身として生きていた彼女は、煌びやかな金の刺繍が施されたマントを翻し凛然とわたしの前に現れると、ゆっくりと膝をつき当時のわたしの背丈に目線を合わせ、問うた。

「お名前は?」
「……………… 、ネーロ」
「そう……確か西洋のことばで星拾いという意味だったかな、素敵な名だ
ありがとう、ネーロ」

産まれてから一切手を加えられなかったわたしの中の白いキャンバスに、鮮やかな雫が一滴落とされたような感覚だった。
奪う事しか知らなかったわたしが初めて誰かから何かを与えられた感覚に心酔した。これはわたしのものなのだと。…最も、その名前すら奪ったものであると気付けないほどわたしは幼かったし、偽物に埋もれてしまっていた。



_____________



奪ってばかりの人生をやはり神はお許し下さらなかったらしい。最期には私も奪われる形で終わってしまった。当然の報いかな。
……それでも、それでもね
姉様がわたしに与えてくれた優しさと暖かさだけは、わたしの中にいつまでも留めて放しません 姉様が空っぽだったわたしに大切な事を教えてくれたから
次また生まれることができたなら、純白の翼のように大きな優しさで、向日葵のような暖かな明るさで皆を包み込める姉様のような存在になれたら良いな


あなたから全てを奪ってしまった事、償っても償いきれないけれど 今はひたすら祈らせて下さい…ネーロさん
生まれ変わった先のあなたの人生が、どうか奇跡と希望に満ちた素晴らしいものとなりますように



……あぁ、意識が薄くなってきた
今更命なんて惜しくはないけど、やっぱりいざとなるとちょっと寂しいものなんだな
姉様のこと、忘れないでいられるかな
忘れたくないな
ありがとうって、言えなかったな





次に目が覚める時は、 きっと
7 2018/01/16 21:54:04
_______________




海が嫋やかに凪ぐ、春風が肌に心地よいある卯月の日だった。


みんなで育てた野菜をふんだんに使用したスープを食べ終え、庭ではしゃぐ子供達の賑やかな笑い声を耳にしながら、穏やかな心持ちで孤児院の若き院長はひとつ伸びをした。

陽を反射し、きらきらと輝く海面を映し出したその青漆の瞳にもうかつての憂いは見られなかった。



今日は午後に1人、新たな孤児を迎える予定だった。
精一杯愛情を注いで、その子の体にも心にも、暖かな陽だまりのような居場所を作ってあげよう。そう決意新たに誓った時、自分の名を呼ぶ声が耳に届いた。

「院長、…彼女です」

目線を下げると、ぱちりと大きな瞳と目が合った。
きっと大事な友達なのだろう、手編みのうさぎのぬいぐるみを抱き抱えたいたいけな雰囲気と切り下げにした亜麻色の髪は、どこかかつて可愛がっていた妹のような存在だった彼女を彷彿とさせた。

胸中にえも言えぬ、今まで彼女が感じた事のない気持ちを抱きながら、優雅な仕草で幼子の前に膝をつくと、柔らかな声色で問うた。

「………お名前は?」

幼子は、向日葵のような笑みを浮かべ彼女の問いにこう述べた。



「ネーロはね、ネーロって言うんだよ!」
8 使用人 ノーヴァ (ahti_saari) 2018/01/20 17:21:55
終わった。

ふっ、と現世(うつつよ)ならぬ身体から力が抜ける。
これで良かったかはわからない。もっと出来ることがあったのではないか、足掻けばよかったのではないか、役に立てたのではないか。そう胸を渦巻く思いはあれど、1番は姫様がとにかく無事でいてくれたことに対する安堵が占める。
姫様なら、きっと生きてさえいれば。これからも力強くやっていくだろうという確信に近いものがあった。
ーー昔からそうだったのだから。

生まれた頃から姫様……マティアス様はとても元気で、いつだってどこから湧いてくるのか不思議になるほどの生命力に溢れていた。
秘密だよ、といたずらっぽく笑うマティアス様。外に飛び出ては怒られ、しおらしく反省する振りをするマティアス様。着飾るのは好きではないと言いつつ楽しそうにメイドたちと服を選ぶマティアス様。
そんなマティアス様は、私にとっての唯一の太陽だった。

生きる希望を失いつつあった頃に出会ったマティアス様はまだ幼子で、よく動き回っていた。当初こそ面倒なことを押し付けられたと思っていたが、くるくると変わる表情、予想もつかない行動、すくすくと成長するその姿を見ているうちにいつしか幼子から目を離せなくなっていた。
力一杯動こうと、生きようとするマティアス様。
何事も全力で、一生懸命で、ひたむきに命を全うしようとするマティアス様。


……応援したくなった。
そうやって力を尽くして彼女が辿り着く先。その光景が見えずとも、せめてその手伝いができれば、と思った。

驚いた。生きる意味を見失っていた自分に、ただの幼子がこれほど影響を与えたという事実に。
けれどこの気持ちは本物だ。なぜここまで強い想いを抱いてしまったのかはわからない。マティアス様が、立場以外で殊更他人と比べて異なっていたわけでもない。
それでもその生き様に惹かれてしまった。抜け出せないと思っていた、自分が浸っていた闇から抜け出して光の元へと赴かんという気持ちを抱かせるほどに。

眩しく輝いているマティアス様という太陽の側にいて、お役に立てるなら。
この光を享受させてくれた恩を返せると思ったのだ。
9 使用人 ノーヴァ (ahti_saari) 2018/01/20 17:22:10
去って行く姫様の背中を見送る。
これから姫様が姫様でなくなったとしても、その命の輝きは周りの者の心を暖かく照らすだろう。自分がもう味わえないその温もりを得られる者たちに少し嫉妬の念を抱きながら、ゆっくりと意識は闇へと落ちていった。
10 ahti_saari 2018/01/20 17:22:30
あるところに少年がいた。
少年は人もあまりいない山に祖母と2人で暮らしていた。
決して裕福な暮らしではなかったけど、少年は祖母と2人での静かな生活が嫌いではなかった。
彼の特に好きなものは祖母と、祖母の語る御伽噺だ。
「ねえおばあちゃん、またあの話してよ。」
と寝る前にゆする。いつものことだが、祖母は飽きないのかと少年に聞く。
「飽きないよ。だってすごく面白いんだもん。」
そうして祖母は姫とその従者たちのどこか悲しくも幸せな物語を語るのだ。

ーー姫はもう姫ではない。けれど、彼女のことを姫と慕う従者と共に幸せに暮らしたとさ。
少年がこの話を忘れない限り、きっと彼らは少年の心でこれからも生きていくことだろう。

ーーエピローグ「姫と10人の従者」
11 メイド ニルレム (絹) 2018/01/20 18:20:34
自分は、死んだ。

崖に座って、ぶらぶら動く脚を見ながら考える。
自分はもう、生きるために何かをする必要はない。
純粋に幸せになるためだけに、行動していい。

...でも、暗殺者になってから。自分は、幸せとは真逆の道を歩んでいた気がする。
この人を殺せばきっと。この人さえ殺せばきっと。
それは、思考停止ではなかったか。

どうして姫様を殺そうと思ったのか。
殺せば今度こそ幸せが待っていると思ったから。それが使命だったから。運命だから。しょうがないことだから。
それは、諦めではなかったか。


目を閉じて、もう遠くに行ってしまった姫様を思い出す。
凛とした姫様。
新しい経験に目を輝かせる姫様。
料理を頬張る姫様。
彼女は、自分の知っている中で一番幸せに近い人だった。

自分はマティアスに、どんな感情を持っていたのだろう。
自分はマティアスにとって、どんな存在だったのだろう。
自分は、どんな存在になりたかったのだろう?
12 メイド ニルレム (絹) 2018/01/20 18:21:29
崖の上に立ち、死んだ時のように屋敷の方を向く。
そこにはもう、誰も居ない。

姫を殺しそびれた時、ヨルダを殺した時...悔しかった。
自分は最後まで中途半端で、幸せになる権利なんてないのか、って。

でも、そこには確かに別の感情があった。だからこそ、皮肉であれあんな言葉を放ったのだ。


『姫様。今まで素敵な時間をありがとうございました』


今度は丁寧にお辞儀をして、そのまま数歩下がり、後ろに体重をかける。
13 メイド ニルレム (絹) 2018/01/20 18:22:23
ああ...落ちていく。こんな身体でも、風にはためくものか。
あの時は、諦めと絶望に染まっていたけれど。今度は、例え歪んでいようが希望を持って落ちるのだ。

自分は、自分がなりたかった存在を自覚した。
もう、その願いは完璧には叶わない。

でも...でも、きっと代わりはいるはずなのだ。
なら、探そう。何年だって、いつまでだって、どこへだって。何回だって。



自分は、私は...今度こそ姫に頼ってもらえる存在に、なるのだ。
14 2018/01/20 18:23:09
【◯◯地域連続神隠し事件 また少女失踪か】
15 騎士 ダレン (komachi) 2018/01/20 19:23:12
俺が姫様に仕え始めたのは、あの方が2歳の時。
それから成長する姿をずっとこの目で見てきた。
あんなに可愛かった姫様はいつしかかっこよくなり、次第に紳士的な仕草で宮中のメイドに騒がれていた。
姫、と呼ばれることを嫌がり、女の子のようなフリフリのドレスを着ることはなく、いつもシンプルで動きやすい格好をしていたマティアス様のことを、いつのまにか彼女を昔から知る者達以外は姫ではなく王子だと思っていたらしい。他国からの文書に王子と記載されていたことには酷く驚いた。本人はそれで満足そうだったが。
大昔から続いている戦争は未だに終わっていない。それでもこの城に被害が出ることはなかったので、ゆったりと穏やかで平和な時が流れていた……のだが。

「剣を教えてほしい?」
俺は思わずマティアス様の言葉を繰り返していた。
彼女はこくこくと頷いている。
「ダメか?」
「いや、それにしても、どうして突然?」
マティアス様が剣を覚える必要はあまりないように思える。護身術は粗方身につけておられるし、そもそも騎士が護衛に当たっているからそう簡単に襲われることはないのだが。
そう思っていると、マティアス様はじっと俺を見上げた。
「強くなりたいんだ。ただそれだけなんだけど」
その瞳に見える意思は強かった。
だが、断られるとでも思ったのか、まっすぐに俺を見つめていた彼女は、やがておずおずと視線を外した。しゅん、という言葉がピッタリの様子だ。
少し笑いそうになったが、どうにかこらえると、
「分かりました。私でよければ、お付き合いしますよ」
「えっ、本当か!?」
ぱあっとマティアス様の顔が輝く。普段は表情に出やすい、というわけでもないが、姫様は結構感情がわかりやすい方だと思う。
「しかし、1つだけお聞きしたいことがあるのです。なぜ、私にその役目を?もっと適任がいると思うのですが」
俺より強い人間はいくらでもいる。その中で、なぜ俺が選ばれたのかが分からなかった。
マティアス様は、一瞬きょとんと首を傾げると、
「なぜって、こういうのは一番強い人に頼むだろう?ダレンはボクの中で一番強い騎士だからね」
さも当然のようにそう言ったのだ。
16 騎士 ダレン (komachi) 2018/01/20 19:23:34
それからマティアス様との剣の訓練が始まった。
さすがに姫様にスパルタ指導なんかしてられないし、怪我でもさせたら大変だ。そう思って手加減すれば、恐ろしいくらいに怒られた。ボクのことは気にしなくていいから、全力で教えてくれ、と。無茶を仰る。

もともと運動神経が悪いわけではないので、上達は早かった。途中でヤドヴィガも参加することになり、対人形式での動きも教えた。ヤドヴィガは隙あらば本気で殴りかかってくるから困る。避けるこっちの身にもなってほしい。マティアス様はそんな様子を見て笑っていた。

連日の訓練で疲れただろうと思い、チェスワフさんに疲労回復によさそうなものを頼んでみた。作ってもらった深緑色のジュースは最高に美味しくなかった。マティアス様は「これは人間が飲むものじゃない」とばっさり切った。でも彼女は楽しそうだった。

それから騒がしくも忙しくて穏やかな日々が過ぎていった。やはり女の子なので力押しされたら負けるものの、剣術はかなりの腕前になった。マティアス様は「ダレンに勝てるくらいになりたい」と仰っていた。そんな日が来ないように頑張りたいが、来たら来たできっと嫌ではないだろう。
楽しみにしておきたいと思う。

だが、そんな日は来ることはなかったのだ。

血で濡れる自分の手をなんの躊躇もなくマティアス様は握りしめていた。
薄れゆく意識。なにか言おうと思っても言葉が出ない。やっと声が出たと思ったら、「敵がいる」と真っ先に言った。こんなときでも俺はこんなことしか言えないのか。いや、間違ってはない。伝えるべきことはこれなのだと。でも、それでも。
最後に伝えたい言葉は、こんなものじゃなかったんだ。

無邪気に剣術を楽しむ姿も、真剣に本を読む姿も、成功して美しくなっていくのも、近くで見守れて、どれだけ光栄だっただろうか。
ああ、姫様。ごめんなさい。そんな顔をさせたかったわけじゃなかった。だから、あなたはもっと笑ってください。あなたには笑顔の方がずっと似合っている。
俺はあのとき、俺があなたの中で一番強いといってくれたあのときから、ずっと。
俺は、あなたのことがーー……。
17 近衛騎士 ヤドヴィガ (Aki) 2018/01/20 20:27:36
セレストの王子、マティアスを戦争終結まで護衛する。
目的は達成し、我々は無事生き永らえた。
計り知れない、数多の犠牲を引き換えにして。

みんな、いなくなってしまった。
昔馴染みで同じ近衛騎士であるダレン。
同郷の使用人ノーヴァ。
やたらと個性豊かなメイドたち。
救護部隊の騎士クラウス。
みんな、カナリーの刺客の手であっけなく死んだ。
幸いに、というべきか、最重要人物であるマティアスは守りきれた。(ついでになにかと物騒な料理人も生き残った)
だが、本当にこれでよかったのだろうか。
マティアスの言う通り、あの時点で降伏していればまだ希望はあったのだろうか。
ふとそう考えてしまう弱気な自分に嫌になりながらも、ワタシは今日も生きている。

祖国セレストは滅びた。
今や王家も近衛騎士も何もない。
だが、関係ない。
ワタシはマティアスと共に、幸せに過ごせさえすればいい。
ただそれだけでよかった。
そのはず、なのに——
何故か、あの時のことを思い出すたびに心が痛む。
本当に、これでよかったのだろうか。
18 Aki 2018/01/20 20:27:55
彼女は今日も思い悩む。
内なる本当の願いは何か。
決して答えに辿り着かぬまま。
今日もまた、日が落ちる。
19 料理屋 チェスワフ (kzysaa_) 2018/01/20 21:28:14
「今日の夕ご飯はもつ鍋にしよう。仕事にも疲れるころだ、赤ワインを開けても良いかな」

私は生き残った。平穏な日々の刹那、ふらっと過去のことを思い出そう。

今となっては料理人だが、これでも私は生まれてから彼女に出会うまでは軍に仕えていたんだよね
今となっては消えてしまったどこかの国で
おっさんの為に戦うのは、あまりにも辛かった

いつだったかは覚えちゃいないけど
戦争で死んだ奴が・・・

何か言ったけど思い出せないや
どうでも良い。

「おいおい君たち、’俺’の分も残しておくれよ」

あの時死んだ奴ら、騒動を起こした連中
それも今となってはもう覚えちゃいない 私は覚えてちゃいけない
私は料理人、マティアスちゃんの為だけのお気楽な料理人
彼女の悲しげな顔なんて見たくない
彼女の笑顔の為なら、何人でも始末できるさ

「おっとっと、アルコールの抜きが足りなかったかな?チビ達ふらふらしてる、可愛いなぁ」

それでも不満なら、めいいっぱい砂糖で覆ってやろう
我が、親愛なるマティアス
20 iketai 2018/01/20 23:41:57
ーーーー0時ーーーー
屋敷の大時計の針が重なった瞬間、金属がぶつかり合う音がした。

2本のククリ刀を手に奇怪に操っているネーロ

1本の長剣を構え、腰には収刀している短剣で怪我の部位を隠しているクラウス

腕に重装、手に2本の短刀を持っているヤドヴィガ

火炎放射器を装備したチェスワフ

1本の愛用の短刀、そして今は亡きダレンが愛用していた剱を携え、見守るマティアス

時計の針が重なった瞬間...ネーロが動いた

なれた手つきで2本のククリ刀をヤドヴィガめがけて乱振した
一見闇雲に降っているように見えるが一発一発がくらえば致命傷だ

ヤドヴィガは瞬時に把握し、剣激を全て受け流している

鈍い金属音が五月蝿い程に鳴り響く

その刹那クラウスはネーロの背後に周りこみ、剣を振る。
ネーロは軽く身を捻り、一瞬距離を取り、すかさず攻撃を再開しようとした...が、それはチェスワフの火炎放射器によって阻止された。

再び対峙する

次に動いたのはクラウスだった、長剣を器用に折り返し剣激を繰り広げる、それと同時にヤドヴィガもネーロ目がけて剣激を広げる。

ネーロは1本のククリ刀でクラウスを、もう1本のククリ刀でヤドヴィガを受け流し、かつ反撃を仕掛けている。

クラウスがその反撃を受け止め、ヤドヴィガが隙を作ろうと絶え間なく攻撃、それをネーロは全て反撃に繋げ、反撃、反撃、反撃...全てが致命傷級の激しい攻防が続いた。

クラウスの長剣が欠けた。
...次の瞬間、ネーロがチェスワフに突っ込んだ

鈍い音をたて、チェスワフの火炎放射器が切り落とされた。

その瞬間、ヤドヴィガが一気に距離を詰め、突きを放った!

...パキッ...ネーロの片方のククリ刀が砕けた、が、ネーロは怯まず突っ込んだ、遠くで見守るマティアスを殺そうとして。

マティアスとネーロの距離が一気に縮まる、ネーロはククリ刀で突きを繰り出した...が、マティアスは倒れていない。

ネーロのククリ刀はクラウスの腹に刺さっていた
21 騎士兼医者 クラウス (iketai) 2018/01/20 23:47:36
「さよならだ、ネーロ」

俺は短刀でネーロ胸を刺した。

お互いに瀕死寸前。

ネーロは残された体力でここからはなれたが長くは持たないだろう。

そして俺も、元からあった傷に加え、さらに重症を負ってしまった。

意識が朦朧とする中
「姫様、俺は、後悔していない...、むしろ...マティアスに従えれたこと、幸せに、誇りに、持って逝け...る、俺の分も...生きろ...よ」

ーそうしてクラウスの魂は今界から消えたー
22 メイド アリッサ (miy3238) 2018/01/20 23:51:45
私の人生はもう終わる。ヨルダが幸せに成仏してくれるといいのだけれど。
ヨルダは昔の私みたいだった 姉を演じ、メイドとして明るい人生を送る前の私。
だからこそ何故か干渉したがった
同じ気持ちが分かり合える気がしたから...
そう考えると、思い出が走馬灯のように流れていく...とても苦い思い出だ。

暗いと何もいいことは無い。

私は子供の頃、暗い方の人って呼ばれ、根暗って呼ばれた 姉はとても明るい女の子。とても眩しかった。
そして、私と姉は成長し、なんとなーく人生が送られてきた。
しかし私の人生はどん底に落ちた。馬鹿な戦争のおかげで仕事は無くなり、底辺の雑用を任され、姉は彼氏も仕事も上手くいっている。姉だけが幸せだった
( 同じ顔なのに 同じ顔なのに...! どうして人生が真逆なのだろう!?
毎日がどん底の人生...悲しい。どうして私が...!
姉のように明るく、生きていたい......
でも私の人生はもう全て終わっているようなもの... 今更足掻いた所で何も変わりやしない。)
それから何年も経ち....ある日、とても良く晴れた日の事だった。
久々に二人で一緒に帰る途中、戦争に巻き込まれ、この町は火の海だった。
そして絶対絶命のピンチだった。しかし、私はこの瞬間を幸運に思っていた。

私が安全に''消える''方法は今しかない...!

———「同じ顔はいらない。一つで充分よ」
''アリッサ''の顔から笑顔が消える。
私は、過去の自分を捨てたくて仕方がなかった。でもその為にはどちらかを消さなければいけない...!
そしてもう一人のアリッサからは、笑顔が生まれる。

それからは楽しい人生だったわね......姉がこんなにも楽しい人生を送っていたなんて、本当にずるいんだから。 でも....
姉を演じるうちに本当の自分の姿さえ忘れてしまった。
二人とも、同じ人生だったらもっと楽しかったのに。同じだったら良かったのに。
等しくなければならないものが偏ってしまえば、足りない方が不満になるのも当然の事
双子なのに、どうしてこうなったというの?

その理由は戦争だ。あんなくだらない戦争のせいで私達双子は一度離れ離れになり、こんなにも違うような存在となっていた...!
もし...生まれ変わったら、戦争がない所に行きたい。私の人生は全て戦争によって左右された。戦争がない所は笑顔が溢れているのでしょうね!
そしてかっこいい男装が見れる所がいいわ!
メイドになって初めて男装があるのを知り、本当に世界が広がったもの...
メイドとして、毎日が楽しかった。 周りの人達とこんなにも楽しく過ごせる素晴らしい日々だった。こんな人生が生まれ変わってからも起きて欲しい...
そして、同じような悲劇を起こしたくない。
23 miy3238 2018/01/20 23:52:02
それからは彼女はこの世をさまよっていた。
姉を殺した罪滅ぼし。 それはとても彼女には大きく、安らかに成仏など出来なかった。

その頃、とある街で''アリッサ''は、あの事件のあと、あの時の事が信じられずにいた。
そして妹の帰りを待つために、戦争から離れ、遠い国で、今でも生き延び続けている。
24 メイド ヨルダ (Miora525) 2018/01/20 23:54:15
王が暗殺された…そんなの…信じたくないです…
メイドとして…マティアス様の代わりに犠牲となること…それを果たせたとしても…
……カナリー王国が……憎いです……
私は………どうすれば良かったのでしょうか…
命令に背いてでも城に残れば…このような事にはならなかったのでしょうか…?
お許し下さい…王……貴方様を守れずに…申し訳ありませんでした…
アリッサさん…ごめんなさい…私は…幸せになる資格なんて…
薄れゆく意識の中…私の口から出てきた言葉は後悔や…憎しみだけでした…
25 メイド ヨルダ (Miora525) 2018/01/20 23:56:08
【夢の中:セレスト王国辺境の小さな村】
………目を開くと見慣れた光景が広がっていました…
今はなき…私の故郷…
「……これも全て…あいつらに奪われたのですね…」
私が騎士を志すようになったのも…故郷が襲われたから…
…村を守ることもできずに逃げてしまったこと…それを私は後悔して…強くなって…今度は逃げないで…私がみんなを守ろう…そう誓って…
あの日の事を思い出すと…私は…今でも気が狂いそうになります…
「やはり私は…彼らに復讐を…」
そう呟いた瞬間
「……やめるんだ」
「そうよ、やめなさい」
背後から懐かしい声が聞こえたんです…
「えっ…?」
振り返るとそこにいたのは私の両親だったんです……
「お父様…お母様…私…わたし…!!」
「ヨルダ…確かに逃げたのは事実かもしれない…でもね、僕達はね…ヨルダを逃がす為に彼らと必死に戦ったんだよ…」
「ええ、そうよ。それにね…言い方は悪いけど、もしあの場にヨルダが残っていても足手まといだったから…逃げてくれて本当によかったわ」
「だからね、気にしなくていいんだよ…」
「そうよ、貴女は私達の分まで生きてくれた…それだけで十分なのよ」
「………それでも、お父様やお母様…それに村の人達や王や今回の事件で亡くなった皆さん…皆さんを殺した彼らを…許すわけには…」
やれやれ、という表情でお父様が
「もし許せないとしても…ヨルダがカナリーの者達に復讐することはできるのかい?」
「それは…」
「できない、だろう?私達は死んでしまった、これ以上生きている者に干渉なんてできないんだ」
「そうよ、だから…復讐なんて絶対にダメ、良いわね?」
「で、でも…お父様…お母様…彼らを恨んでいないのですか…?」
「…はじめは恨んださ、でもね、そのお陰で今のヨルダがいるわけじゃないか」
…確かにそうでした、その出来事があってこそ今の私がいるわけなのですから…
「それに……その後の生活は幸せだったのでしょう?娘の幸せ、それが私達の願いだったんだから…」
「お父様…お母様……」
私は二人の優しい言葉に…気がついたら涙を流していました…
「よしよし、気の済むまで泣くといいよ」
「ふふ、そうね…その後は…久々に料理でも振る舞おうかしら?当然食べるわよね?」
お母様の料理…久しぶりです…
「勿論、食べます…ふふ、楽しみです…♪」
こうして私は3人で幸せに暮らすことになりました…
26 Miora525 2018/01/20 23:57:51
【数年後:とある孤児院】
○月○日
懐かしい夢を見ました
「あんたなんか産まなければよかった」
夫婦喧嘩の巻き添えをくらい、両親に家を追い出されてしまい村を出ることになった
その後は宛もなく彷徨い続けて…もう空腹で倒れそうになっていた時に、とある孤児院の人に拾われました

その孤児院での生活はまるで天国のようでした
料理は美味しく、先生は優しく…私にとっては楽園だったんです
そんな孤児院での生活の中でも一番印象に残っているのは、先生が経験したというお話でした
そのお話はおとぎ話のように姫様が幸せに暮らすお話というわけではなかったのですが…何だか惹かれたんです
どんな人がいたのか、とか質問をしたりもしていました
その中で1人…気になる人がいたんです
ヨルダさん…なんだか私に名前が似ているんです
生い立ちは不明ですが…誰かの為に尽くしたい、誰かの為なら犠牲になっても構わない…その精神が私と重なるんです
…だからといって、どうという訳ではありませんが…私は彼女みたいになりたい、そう思ったんです
…変な話ですよね、でも…そのお陰で今、私は…メイドとして孤児院で働いています
この辺りはずっと平和です…戦争があったなんて考えられませんが……でも、もし私がその時、その場にいたのなら‥ヨルダさんのように私は先生守ったんだと思います
だって…ご主人様に尽くすのが、メイドのお仕事ですからね!

ヒルダ


…あの……えっと、今気がついたのですが…この日記、誰も読んでませんよね…?
読まれているのだとしたら凄く恥ずかしいですね…えへへ…
読んだ人はご主人様であろうと容赦しませんので、そこはお願い致しますね☆
27 Miora525 2018/01/20 23:58:48






最後の一行を読んだ僕は、身の危険を感じて日記を閉じて逃げるように部屋を出た
奥の部屋から覗いていた目は、僕の見間違いだと思う、いやそう思いたい…僕、何だかこわいよ…

終了(勝者: 村人陣営)

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参加者一覧(詳細)
#名前ユーザー役職結果
1 騎士 ダレン komachi 生存 勝利
3 使用人 ネーロ 生存 勝利
4 語り部 komachi222 生存 勝利
12 メイド ヨルダ Miora525 生存 勝利
43 近衛騎士 ヤドヴィガ Aki 生存 勝利
44 料理屋 チェスワフ kzysaa_ 生存 勝利
45 騎士兼医者 クラウス iketai 生存 勝利
46 メイド エリザベート Akatsuki 生存 勝利
58 使用人 ノーヴァ ahti_saari 生存 勝利
60 メイド アリッサ miy3238 生存 勝利
72 メイド ニルレム 生存 勝利
89 男装の姫 マティアス 渡辺 生存 勝利
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